X線厚さ計

 

概要

軟X線(軟エックス線)を利用した厚さ計(膜厚計)です。 シート・板状の物体の厚さ・密度(坪量)を非接触(軟X線)で測定します。

直接厚みを測るのではなく、基準物質との比較によって、厚さ・密度(坪量)を算出します。

一般に、シートの幅方向の厚み分布を測定するのに、スキャナで検出系を搬送して測定します。非接触で厚さを計測する手段としてはレーザー

変位計が一般的ですが、レーザー変位計をスキャナに搭載すると、搬送時にレーザー変位計の精度を遙かに下回る精度でしか搬送できないので

、結果的に高精度の測定は困難です。

一方、X線厚さ計のように透過減衰によって厚さを見積もる方式では、空気層-サンプル-空気層と透過する間の減衰を測定するのですが、サン

プルによる減衰が空気より遙かに大きく、搬送の影響は空気層の厚み変化として現れるのみで、影響は軽微です。従って高精度で測定すること

ができるのです。

 

特徴

放射線取扱主任者・X線作業主任者の選任・管理区域の設定が不要(労働基準監督署への届出は必要です)

パスライン誤差が無視できます

元素依存性が大きい

検出部、X線源部がコンパクト・軽量で狭いラインにも設置可能

計測対象範囲(材質・厚さ)が広い

 

用途

銅箔、アルミ箔、ステンレス箔

電池電極

セラミックス(シート、ウェハ)

ガラス繊維クロス

などの連続計測。

 

仕様

  X線厚さ計 SX-1100
測定方法 X線透過方式
検出方法 シンチレーション検出器方式
測定対象物 フィルム・箔など測定対象に合わせ最適設計)
測定ピッチ 標準 2mm(さらに細かいピッチも対応可能)
スキャン幅 標準150~3000mm(他の幅も対応可能)
スキャン速度 15~300mm/sec(標準)
フレーム構造 O型他各種フレーム
スポットサイズ 約φ7.5mm(標準)(ワーク上)
X線源部 70×83mm×250mm(標準)
検出部 70×83mm×220mm(標準)
電源 100V 単相 1kVA